なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

ニュースレター2013年3月号:インフルエンザ流行状況・MRワクチン3期4期は3月31日で中止

【 いま流行っている病気は? 】
 
 インフルエンザが減少して来ましたが、それでもなお一番数の多い病気ではあります、感染性胃腸炎はノロウイルスが減少しロタウイルスが増えて来ました。伝染力も強く、きょうだい・家族に次々に伝染し、点滴が必要な脱水の重症な方も多いのが特徴です。A群溶連菌咽頭炎・RSウイルス感染症・水痘も増えて来ています。
 
 手足口病は元来夏に流行る病気で、手(手のひら・甲・肘)、足(足の裏・甲・膝)口(口の中・のど)、お尻(肛門の周り・臀部)に丘疹(盛り上がった発疹)を出す病気として知られていましたが、昨年あたりから、発疹のひどい型が増えて来て、秋でも冬でも見られます。大腿や体幹にも発疹が出現することもあるので、水痘ではないかと受診される方もあります。水痘と決定的に違うのは、水疱ではなく丘疹だということ、つまり水ぶくれのように見えても液は溜まっていない。水痘は水ぶくれの薄い皮が破れるとウイルスが一杯含まれた液体が出て来るのが大きな違いです。元気でも保育園を休まなければならない(水痘)か、元気なら行ってもいい(手足口病)か、ということも大きな違いですね。
 
福岡県医師会による感染症発生状況 (第8週H25.2.18~2.24)
病名 報告数 前週比 1定点当たりの患者数
福岡県 全国
インフルエンザ 2593 79% 13.10 16.31
感染性胃腸炎 1389 130% 11.58 7.29
水痘 295 143% 2.46 1.04
A群溶連菌咽頭炎 333 133% 2.77 1.67
手足口病 180 137% 1.50 0.17
突発性発疹 85 110% 0.71 0.41
RSウイルス感染症 73 149% 0.61 0.37
 
 
 
 
【 インフルエンザの流行は? 】
 
 インフルエンザは先月の統計がピークで、すでにかなり減少して来ました。先月最後の統計から1か月で1/3以下に減り(9076→8038→5297→3263→2593)、全国と比べても減少しています。前月は福岡が一番でしたので、短期間に流行が減少に転じたことを意味しています。例年ピークは1万数千まで増えていくことが多いし、流行の期間も長いのですが、今年は1月に入ってもワクチンをされる方が多く、予防に努めた成果ということもあったでしょう。またインフルエンザにかかって感染源となった方たちが「発症から5日以上、解熱から2日(園では3日)以上経過してから登校・登園可」という厚労省の方針を守っていただいたことが、早期に流行を減少させる良い方向に向かっている一番の要因だと思います。3年前の新型インフルエンザの発生以来、大人も子どももインフルエンザにかかったら「無理せず休む(休める)」ということがかなり浸透してきているのはとても良い傾向で、自分の体だけでなく人にうつさないためにも大事なことです。
 
 
 
【 MRワクチン(麻疹・風疹混合)3期4期は今月31日までで中止! 】
 
 5年前から始まった、MRワクチン第1期(1~2才未満)・2期(年長さん)・3期(中1)・4期(高3)は、第1期・2期だけ残して、3期・4期が廃止になります。今度中学1年生になる子どもたちからは既に2回のMRワクチン接種を終えているはずだからです。まだ終わってない方は急いで接種しましょう。2度目のダイレクトメールが市から届いているはずです (自費で1万2千円)。
 最近高校や大学入学や就職する際に麻疹・風疹などワクチン接種歴を提出書類に書かせるところが増えています。抗体の無い学生や成人の風疹・麻疹流行が問題になっているからです(ニュースレター2月号を参照)。現在24歳以上の方々はこの3期・4期接種の対象外で、以前の予防接種制度の1~7才半までの間の1回だけのMRワクチン接種でした。なので将来風疹や麻疹にかかってしまって重症に陥ったり、先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれてしまう危険性があります。前号でも書いたように、是非母子手帳を確かめて、ワクチン追加接種をしておきましょう。                 
 
 
参考文献・HP:
福岡県医師会HP