【 いま流行っている病気は? 】
10月の下旬から急に感染性胃腸炎が増えて来ました。いわゆる嘔吐下痢症ですが、いきなり吐いてぐったりし遅れて下痢が始まります。持って来て頂いたおむつの便で検査すると、ノロウイルスが高率に検出されています。保育園や幼稚園など集団生活の場で感染が広がり、家の中でも兄弟・お母さんと次々に感染していきます。おむつの後始末や吐物の片付けなどは、漂白剤を使ってしっかり時間を掛けて片付け、感染源とならないように注意しましょう。便を扱った時の手洗いは石鹸を使ってきれいに洗い、うがいは30秒以上かけて、励行しましょう。
喘息や鼻・眼アレルギーも増えて来ました。夜だけに咳や鼻づまりがひどい場合は、毛布やお布団に問題があることが多いので要注意です。布団は洗えるなら丸洗いがベストですが、干した後布団用ノズルをつけてクリーナーを掛けましょう。
福岡県医師会による感染症発生状況 (第43週H24.10.22~10.28) |
病名 |
報告数 |
前週比 |
1定点当たりの患者数 |
福岡県 |
全国 |
感染性胃腸炎 |
1318 |
148 % |
12.20 |
9.60 |
RSV感染症 |
202 |
87 % |
1.68 |
1.19 |
A群溶連菌咽頭炎 |
131 |
99 % |
1.09 |
1.13 |
水痘 |
112 |
133 % |
0.93 |
0.50 |
流行性耳下腺炎 |
61 |
62 % |
0.51 |
0.40 |
インフルエンザ |
11 |
+7 |
0.06 |
0.05 |
【 11月1日から4種混合ワクチン[3種混合(DPT)+不活化ポリオ(IPV)]が始まります(要予約) 】
ようやく11月1日から、4種混合ワクチン(3種混合DPT+不活化ポリオ IPV、4種類で0.5㏄1本)の定期接種(=無料)が始まります。入荷の様子が全く分からないので
当面予約が必要です。生後3か月~7才半まででこれまでDPTもIPVも
どちらも未接種の方のみ受けることが出来ます。従来の3種混合ワクチンと同じスケジュールで摂取します。
世界でも日本小児科学会もHib、肺炎球菌、DPT・ポリオ、更にはロタウイルスワクチンの同時接種をお勧めしています。
★皮下接種で合計4回 (1期初回接種:3回、1期追加接種:1回)
1期初回接種 : 3~8週の間隔を置いて3回接種
1期追加接種 : 初回接種(3回) 後 6か月以上の間隔を置いて1回接種
【 インフルエンザの予防接種始めています 】
◆予約:不要
注射の予約は必要ありませんが、順番予約はしておかれたほうが待ち時間が少なくて済みます。
◆接種費用:子ども¥3000
大人 ¥4000 (大人はご家族の方に限ります)
◆回数:生後6カ月~12歳は原則2回
13歳以上は1回または2回
インフルエンザワクチンはA型2種類とB型の計3種類の株が使われている不活化ワクチンです。今年はA・H1N1カリフォルニア/2009(3年前いわゆる新型と騒がれた株)と、A・H3N2ビクトリア/2011(A香港型)とB・ウィスコンシン/2010の株が含まれています。
13歳以上は1回でも重症化予防・死亡予防効果があるということになっています。決して感染予防効果ではありません。13歳未満は2回接種・13歳以上でも基礎疾患を持っている方は2回接種が望ましいとされています。
又妊娠中の方は胎盤を介しておなかの赤ちゃんにも抗体が移行して免疫が出来る可能性もあり、2000例以上の妊婦への接種の情報では副反応が無く胎児への影響はないとして、アメリカ疾病対策センター(CDC)は妊娠初期からの接種を勧めています。ただし、たかだか2000例と言う考え方も出来る訳で、当院ではやはり
妊娠前期の不安定な時期を過ぎてからの接種をお勧めしています(妊娠10週以降)。又受験生も2回がお勧めです。ちなみに当院スタッフは2回、時に流行が長引くときは3回することもあり、毎日患者さんと濃厚に接触しているにも拘らず滅多にかからずに済んでいます。
Q.卵アレルギーの方のインフルエンザワクチン接種は?
A.多くの方は安全にできています。
インフルエンザワクチンは鶏卵内でウイルスを増殖させるので、ごくごく微量の卵白成分が入っています。卵アレルギーの方でごく微量の卵の成分入り食物を摂取して、全身にじんましんや、ゼイゼイ呼吸困難などの重篤な反応が起こったことのある人は接種不適当と考えられますが滅多にありません。全卵は駄目でも卵成分入りの食品はOKとか、MRワクチン接種は大丈夫だったという方は全く問題なく接種可能です。
引用・参照文献・HP:
インフルエンザQ&A・厚労省ホームページ・予防接種ガイドライン2012