【 熱性けいれんとは? 】
熱性けいれんは高熱を伴う全身性のけいれん発作で、風邪症候群など色々な熱性疾患で引き起こされ、生後3ヶ月~5歳ぐらいまでの乳幼児に多く見られます。
特に熱の上昇期に突然起こることが多く、眼が一点に固定またはつりあがって白眼をむき、唇や口周りは青く(チアノーゼ)、両手足は突っ張るがか、ガクガクと曲げ伸ばし、意識がなくなります。 (熱が出るときの悪寒ではぶるぶると震えますが、意識は明瞭です)
けいれん自体は1~2分、長くて数分で治まり、その後眠り込むことが特徴で、意識障害続いているわけではありません。発作時の脳は過剰な興奮により酵素やブドウ糖を大量に消費するため、発作後深く眠ることでそれらを補充するのです。
熱性けいれんでは脳に障害が残ることはないと言われていますが、それでもあまりに回数が多いときは、てんかんや他の脳の病気などとも区別が必要です。 また親・きょうだい・親戚の中に熱性けいれん経験者が多い方は要注意です。
【 けいれん発作がおきたときは・・・ 】
1.転倒による怪我を防ぐため、仰向けか横向きに静かに寝かせ、呼吸が楽にできるように服をゆるめます。 このときにけいれんの始まった時間を確認します。
2.吐くこともあるので、嘔吐物でのどが詰まらないように、横向きに寝かせます。
3.舌をかむことはありませんので、歯の間に指や物を入れるのはやめましょう。
4.驚いて名前を読んだり、身体をゆすったりするのはやめましょう。 脳の興奮を余計に高めてしまいます。
5.けいれんの様子を観察します。
※観察のポイント※
眼球は上向き・右向き・左向き?
唇・口周りは?
手足のダラン、ツッパリ、ガクガク?左右対称か?
6.発作がおさまって深い眠りに入ったら、けいれん終了時間を確認し、熱も測っておきましょう。
7.発作が続いた時間・体温・けいれんの様子をきちんと医師に伝えると、より正確な診断ができるので、落ち着いて観察することが大事です。
【 こんなときは迷わず救急車を! 】
・けいれんが長く続くとき(10分以上)
・けいれんが治まっても意識不明や朦朧とした状態が長く続くとき
・短時間に連続して何度もけいれんを起こすとき
※単なる熱性けいれんではなく、脳の病気(髄膜炎・脳炎・脳症など)に伴う痙攣のことがありますので、出来るだけ早く医療機関を受診しなければなりません。