なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチンについて

【 ヒブ(Hib)はどんな病気を引き起こす病原体でしょうか? 】
 
ヒブ(Hib)は、ヘモフィルス属インフルエンザ菌b型(Haemophils Influenzae Typeb)という細菌です。インフルエンザという名前がつくので、毎年流行するいわゆるインフルエンザウイルスと勘違いされやすいのですが、全く別の細菌です。Hibは、鼻やのどから侵入する菌で、特に5歳未満の乳幼児が重症感染症を発症します。脳を包む髄膜(髄膜炎)のどの奥の喉頭蓋(喉頭蓋炎)肺(肺炎)などに炎症をおこし、しかも早期診断が難しく薬の効かない耐性も多いので、重症化しやすい厄介な細菌です。
一番重症で問題なのは、Hib髄膜炎で、日本では毎年約500~600人の乳幼児がかかり、2%は死亡、約20%にけいれん発作、聴力障害や発達の遅れなど深刻な後遺症が残り、一生大変な障害を抱えて生きていかなければなりません。
 
 
 
【 ヒブ(Hib)感染症は、ワクチンで防げます。 】
 
欧米では、90年代から定期接種となっていて、Hibによる重症感染症は激変して、Hib髄膜炎はもう過去の病気と思われているほどです。WHOは1998年すべての国にヒブワクチンを定期予防接種として採用することを推奨、2002年の報告では94カ国で定期接種に組み込まれています。アジア諸国でヒブワクチンが採用されていないのは日本と北朝鮮だけでしたが、ようやく日本でも2008年12月より接種できるようになりました。日本ではじまったばかりといってもこの「アクトヒブ」というワクチンはもともと世界中で広く接種されているもので、これまでの14年間で約1億5000万回接種されていますが、一例も重大な副作用は見られていません。

 
 
 
【 接種スケジュール 】

◆接種時期: 生後2か月~4歳 (要予約)
◆接種スケジュール: 生後2~3月頃から4~8週間隔で3回接種を行い、おおむね1年後に1回追加接種
 
接種開始時期
初回
追加
接種スケジュール
標準
生後2~6か月
3回
1回
4~8週間隔で3回接種を行い、おおむね1年後に1回追加接種
接種開始が遅れた場合
生後7~11か月
2回
1回
4~8週間隔で2回接種を行い、おおむね1年後に1回追加接種
1歳~4歳
1回
 
 
◆三種混合との同時接種ができます。
ヒブワクチンと三種混合を同時に接種したほうが来院回数が少なくて済みます。麻疹・風疹(MR)、おたふくかぜ、水痘ワクチンの3種類(4種類)も同時接種可能です。
予約が必要です(電話予約も可)。 ⇒予約なしでいつでも接種できます。
◆当日は、母子手帳と予防接種手帳をお持ちください。