福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美
【 インフルエンザ治療薬の副作用について 】
副作用で頻度の高いものは、腹痛(6.8%)・下痢(55%)・嘔気(3.9%)などですが、まれに、 肝機能障害・ショック症状・肺炎・急性腎不全 (全て頻度不明)などがあります。最も重要視されたのは、前述の異常行動です(使用量の多いタミフルが最多でした)。今日まで様々な治療薬が開発されましたが、多少の異常行動があっても転落事故はなくなり、時間が過ぎれば全く正常に快復しています。保護者の皆様が理解されて、インフルエンザのお子さんを一人にしておくことが減り、最近の副作用の報告は激減しています。
【 インフルエンザ治療薬の処方について 】
◆ワクチン未接種の場合
重くなる可能性もありますし、乳幼児なら合併症 (脳症・脳炎・肺炎・中耳炎)の危険もあります。小さいお子さんの場合何らかの異常行動が起こっても抱きとめることが可能です。解熱までの最低2日間しっかり付き添って下さい。治療薬なしで重症化・合併症を招くよりも治療薬を使ってそれらのリスクを未然に防ぐほうがよいと考えています。
◆ワクチン接種済みの場合
個人差はありますが、ワクチンをしていれば発熱・痛みなども軽症ですむことが多いようです。
治療薬で早期に解熱したからと言って、ウイルス排泄までもすぐになくなるわけではありませんが、人にうつす期間はいくらか短くなるので、早めに社会や学校に復帰できるというメリットはあります。受験生や重症化する可能性のある病気を持っている方は、特に早期診断・早期治療の為に早めに受診下さい。最近は迅速診断キットも改良され、早期に陽性が判明する方も多くなりました。
◆ウイルス排泄を短期間に抑え込むためにインフルエンザ治療薬を積極的に処方しています。
ただし、治療開始後の事故防止対策として、保護者の方は次のことにご配慮ください。
異常行動の発現のおそれがあるのは少なくとも2日間です。
この間、保護者の方はたとえ大きいお子さんでもしっかり付き添って一人にならないようにご配慮ください。
※治療の有無にかかわらずインフルエンザ初期に、異常行動が出現することがあります。
治療薬を服用していなくても、最低2日間はしっかり付き添ってください。
※異常行動が見られた場合は、後日でもお知らせください。