なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

インフルエンザの合併症

1 インフルエンザ脳症                         
インフルエンザの最も重症な合併症であり、4歳未満の乳幼児に発生し易く、発熱後数時間~48時間以内にけいれん・意識障害を起こし死に至るか、重症の後遺症を残します。脳症はインフルエンザウイルス感染により脳組織に障害を起こすもので、日本人に多いのは人種的な関与が考えられています。                            

[主な症状]                                  
けいれん:
いわゆる引きつけで1分~20分、長いほど重症です。けいれん発作の間意識はなく、おさまったあと脳がとても疲てしまう為必ず眠り込みます。                                      

意識障害:
呼びかけ・刺激に反応がなく、無表情・嘔吐・傾眠(眠ってばかり)の状態です。意識があるのか無いのかよく観察することが大事です。

[脳炎を疑う症状=前駆症状、予兆]
異常行動
泣き叫ぶ、悲鳴、恐い・おびえる、幻覚(誰かがいる)意味不明の事をしゃべる、歌う、笑うなどがあれば注意します。

[対策]
まず、疑う症状が出てきたら注意深く観察し、続くようなら医療機関を受診。
けいれん、意識障害が出現すれば直ちに(救急車でも)受診します。                               


2 肺炎
一次的ウイルス性肺炎・二次的細菌性肺炎・この二つの合併した肺炎の3種類が考えられ、乳幼児は減少していますが高齢者施設などでは死亡率が高い合併症です。咳がひどい時は注意しましょう。


3 心筋炎 
軽症心筋炎はかなり頻度の高い合併症で多くは自然に治っていきますが、中には心臓の働き(心機能)が著しく低下して急死することもあります。40代患者の最近の死因はこの心筋炎でした。とてもきつがる・脈が早い(熱が高くない時でも)などに注意しましょう。