なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

ニュースレター2012年8月号:単独の不活化ポリオワクチンの接種開始

【 いま流行っている病気は? 】 
 
 長かった梅雨も明け暑い夏がやってきました。福島原発事故以来の節電のため、当院でも快適な温度設定ができず扇風機を併用していますが、熱のある方には寒い場合もあるでしょう、不具合は遠慮なくお知らせください。
 
 エンテロウイルスによるヘルパンギーナが増加しています。急な高熱・のどの痛み・よだれが多くなったらのどが問題かも。「エンテロ」とは「腸」という意味で、腸で増殖するためついでに腸炎も起こすことが多いのです。でも冬~春のノロ・ロタウイルスの嘔吐下痢症よりもずっと軽く3~4日でよくなり、脱水で点滴ということもめったにありません。エンテロウイルスには色々なタイプがあり、重症の手足口病やウイルス性(無菌性)髄膜炎を引き起こすこともあるので、炎天下で走り回るのは控えましょう。さらに注意が必要なのはこの季節は熱中症です。暑さの我慢は程々に、炎天下での運動は避け(夏休み中の小・中・高校生の部活は生徒のやる気・監督さんの熱意が時に危険な結果をもたらすこともあるので特に注意が必要)、水分を十分に補給して健やかに過ごしましょう。
 
福岡県医師会による感染症発生状況 第29週 (H24.7.16~7.22)
病名 報告数 前週比 1定点当たりの患者数
福岡県 全国
感染性胃腸炎 545 94% 4.54 4.47
ヘルパンギーナ 424 82% 3.53 4.42
A群溶連菌咽頭炎 128 76% 1.07 1.70
流行性耳下腺炎 95 83% 0.79 0.56
水痘 94 73% 0.78 1.09
咽頭結膜熱 56 69% 0.47 0.53
手足口病 25 -1 0.21 0.93
 
 
 
 
 
【 9月1日から単独の不活化ポリオワクチン注射(IPV)がはじまります。 】
 
9月1日から、不活化ポリオワクチン(IPV)の定期接種が始まります。三種混合(DPT)と同じ、1期3回と追加の計4回です。
 
★4種混合(3種混合+ポリオ不活化で0.5ml)ワクチンの開始は11月からです。まだ一度も三種混合を受けてない方は、11月から4種混合ワクチンを受けることができます。
 
単独の不活化ポリオワクチン(IPV)標準的な接種スケジュール
  Ⅰ期(3回) 追加接種(1回)
時期   生後3~12か月 初回接種から12~18か月後に1回
間隔  3週間以上の間隔をおく 3回目の接種から最低6か月後
 
 
※この期間を過ぎた場合でも、90か月(7歳半)に至るまでの間であれば、接種ができます。
※過去に生ポリオワクチンを受けそびれた方も、対象年齢内なら不活化ポリオワクチンの定期接種を受けられます。
 
※生ポリオワクチンを一回でも受けた方の単独の不活化ポリオワクチンの接種方法については、厚生労働省配布のリーフレットに詳しく記載してありますので、ご参照ください。
 →リーフレット「どうすればいいの?ポリオワクチン」 [827KB]



参照文献:福岡県医師会ホームページ 厚生労働省ホームページ