福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美
【 水痘ってどんな病気? 】
◆原因
水痘帯状疱疹ウィルスに感染しておこります。このウィルスは水痘に感染した人の唾液や水泡の中にいて、感染力が強く、一年を通してみられますが、特に春多く流行します。
◆症状
かゆい虫さされのような発疹が背中・腹部にできるのが始まりで、数日で薄い皮の水疱となり、全身(頭の中・陰部・時に口の中まで)広がります。
発疹のない人も、高熱の続く人さまざまです。
◆潜伏期間:2週間
【 治療は? 】
◆治療
発疹早期に抗ウィルス剤を服用すると軽く済みます。
軟膏はかゆみ止めや乾燥を早める効果があります。
◆登園・登校
全ての水疱が乾き、黒いかさぶたになるまで伝染力があります。
なので、最後の1個が枯れてかさぶたになるまで出席停止です。
通常1週間ぐらいです。
※帯状疱疹とは、皮膚の神経にそって帯状に水疱を作り、神経炎による強い痛みを引き起こす病気です。水痘発症後に水痘帯状疱疹ウィルスは身体から消えることなく、脊髄神経節に隠れていて、なんらかの理由で抵抗力が落ちると皮膚へ出て発症します。
【 水痘ワクチンのススメ 】
水痘は、水疱のかゆみが長く続き、子どもにとってかなり負担のかかる病気です。時には重症化し、肺炎・脳炎を起こすこともあります。特に免疫抑制剤などの治療を受けている患者さんは重症化しやすく、命を落とすこともありますので、ワクチンが重要です。
妊娠初期の妊婦が水痘にかかると、胎児の発育に影響し、低体重・四肢の形成不全・小頭症などの異常のある赤ちゃんを出産する可能性があります。そういった事を予防するために、成人の女性にもワクチン接種をお勧めしています。また、帯状疱疹の発症を抑える効果もあり、ワクチン接種後の発症率は0.8%といわれています。
ワクチンの接種後年々少しずつ抗体が落ち、軽く罹患することもあります。しかし、ワクチン接種した人の水痘ら患率は11.2%。このうち95%は軽症です。
日本ではまだ値段が高いのが問題です。ちなみに米国では全員定期接種(無料)していますが、さらに2回接種を推奨しています。