なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

2008年12月号:ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン

【 ヒブ(Hib)はどんな病気を引き起こす病原体でしょうか? 】
 
ヒブワクチンが2008年12月19日に入荷します。
ヒブ(Hib)は、ヘモフィルス属インフルエンザ菌b型(Haemophils Influenzae Typeb)という細菌です。インフルエンザという名前がつくので、毎年流行するいわゆるインフルエンザウイルスと勘違いされやすいのですが、全く別の細菌です。Hibは、鼻やのどから侵入する菌で、特に5歳未満の乳幼児が重症感染症を発症します。脳を包む髄膜(髄膜炎)のどの奥の喉頭蓋(喉頭蓋炎)肺(肺炎)などに炎症をおこし、しかも早期診断が難しく薬の効かない耐性も多いので、重症化しやすい厄介な細菌です。
一番重症で問題なのは、Hib髄膜炎で、日本では毎年約500~600人の乳幼児がかかり、2%は死亡、約20%にけいれん発作、聴力障害や発達の遅れなど深刻な後遺症が残り、一生大変な障害を抱えて生きていかなければなりません。
 
 
 
【 ヒブ(Hib)感染症は、ワクチンで防げます。 】
 
欧米では、90年代から定期接種となっていて、Hibによる重症感染症は激変して、Hib髄膜炎はもう過去の病気と思われているほどです。WHOは1998年すべての国にヒブワクチンを定期予防接種として採用することを推奨、2002年の報告では94カ国で定期接種に組み込まれています。アジア諸国でヒブワクチンが採用されていないのは日本と北朝鮮だけでしたが、ようやく日本でも2008年12月より接種できるようになりました。日本ではじまったばかりといってもこの「アクトヒブ」というワクチンはもともと世界中で広く接種されているもので、これまでの14年間で約1億5000万回接種されていますが、一例も重大な副作用は見られていません。ただし、任意接種のため費用は自己負担(※)となります
 
※2011年3月1日より無料で受けられるようになりました!
福岡市民にかぎり、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンが、生後2か月~4歳の乳幼児を対象に、公費助成により無料で接種できるようになりました。期限は、平成24年3月31日までの一年間です。お早めにご予約ください。
 
 
【 接種スケジュール 】

接種開始時期
初回免疫
追加免疫
標準
生後2ヶ月以上7ヶ月未満
3回
1回
接種が遅れた場合
生後7ヶ月以上1歳未満
2回
1回
1歳以上5歳未満
通常1回

※初回免疫は4~8週間の間隔で皮下注射
(医師の判断により3週間の間隔でも可)
※追加免疫は初回免疫の約1年後に1回接種
 
◆対象は生後2か月から5歳未満で5歳以上は不要です。
◆三種混合との同時接種ができます。
ヒブワクチンと三種混合を同時に接種したほうが来院回数が少なくて済みます。麻疹・風疹(MR)、おたふくかぜ、水痘ワクチンの3種類(4種類)も同時接種可能です。
◆ワクチンの予約は必要ありません。