なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

なんり小児科ニュースレター2009年3月号

【今のインフルエンザの流行状況は?】

今年のインフルエンザの流行は、1月中旬から下旬
にかけてピークを迎え、現在では下降線をたどりつつ
ありますが、B型の流行がまだまだ続いているので注意が必要です。B型インフルエンザは、A型インフルエ
ンザとはウイルスの構造が違うため、既にA型に感染した方でもB型にかかる可能性があります。受験生の方
は特に予防にご注意ください。
 

【新型インフルエンザ・鳥インフルエンザ・インフルエンザの違いは?】

インフルエンザ
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスには様々な種類がありますが、私たちが通常インフルエンザという場合、現在ヒトの世界で流行しているAソ連(H2N3)型、とA香港(H1N1)型、およびB型インフルエンザのことを指す場合がほとんどです。日本では毎年冬に流行し、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強いのが特徴です。また、気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれん、脳炎などを併発し、重症化する危険があるので注意が必要です。
鳥インフルエンザ
インフルエンザウイルスは、自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類が感染し、それを鳥インフルエンザといいます。通常、鳥インフルエンザに感染したアヒルやカモなどの多くの水鳥では感染しても症状が出ないことが多いのですが、ニワトリや七面鳥などに感染すると強い毒性を示し、死を招くものがあります。これが高病原性鳥インフルエンザと呼ばれ、最近では人への感染も報告されています。
新型インフルエンザ
 新型インフルエンザウイルスとは、従来は人に感染することがなかった鳥インフルエンザウイルス(H5N1・H7亜型等)が直接人に、または豚を介して人に感染し、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと効率よく感染できるようになったものです。
 現時点では、鳥から人への感染報告はされていますが、人から人へ効率よく感染する新型インフルエンザウイルスの発生は確認されていません。新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのかは予測不能ですが、もし出現すれば、人間界にとっては未知のウイルスで、ほとんどのヒトは免疫を持っていませんので、容易に人から人へ感染して広がり、世界的な大流行(パンデミック)が引き起こされ、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響が懸念されています。

 

【新型インフルエンザの症状・治療・予防法は?】

■症状
→→→新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザの症状としては、これまでの事例で、発熱、咳など、ヒトの一般的なインフルエンザと同様の症状に加え、下痢を認めた例もありました。致死率は60%以上と極めて高く、肺炎が主な死因となっています。しかし、高病原性インフルエンザウイルスが人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスに変異した場合、その症状の程度は、現在のところ予測困難です。

■治療法
→→→現在のインフルエンザ治療に使われている抗インフルエンザウイルス薬が有効と考えられています。

■予防法
→→→通常のインフルエンザ予防と同様。うがい・手洗い・マスク着用・人混みを避ける・加湿等。有効なワクチンは未だ開発途上です。 (南里)