なんり小児科クリニック

福岡市東区のなんり小児科クリニックの公式サイトです。【院長】南里月美

なんり小児科ニュースレター2009年2月号

【現在のインフルエンザの流行状況は?】

今年のインフルエンザ流行は昨年よりも早く、福岡県感染症情報をみると、2月初旬から中旬にかけて流行のピークを迎えることが予想されます。
インフルエンザはかぜとは全く異なる重症感染症ですが、ワクチン済みの方はかかったとしても軽く、比較的元気に経過しています。まだまだ流行は続きますので、今からでもワクチンはお勧めです。

                          

【インフルエンザウイルスとは?】

インフルエンザの原因は、インフルエンザウイルスという病原体で、現在流行しているのは、Aソ連型とA香港型、およびB型です。このうち、A香港型はタミフルが有効ですが、Aソ連型は、タミフルが効かないという報告が各国でなされており、日本でも厚生労働省において、11都道府県で採取したAソ連型ウイルスの97%(34/35)が耐性株だったと発表されました(2009.1.16)。現在福岡では、この3つのタイプ全てが報告されていますが、Aソ連型よりもA香港型の流行が多いので、処方したほとんどの方にタミフルはよく効いています(※ただし、昨年より副作用の為に10~20代の方には原則タミフルは処方出来ません)。

タミフルはインフルエンザ発症後48時間以上経過した場合には、ウイルスが増殖してしまい効果が期待できませんので、早めに内服を始めることが重要です。ただし、インフルエンザ検査が陽性になるのは、7~8時間以降なので、熱が出ても少し待って受診されるほうが賢明です。(※痙攣が10分以上続く等の緊急の症状が出た時はすぐに受診して下さい。)


【インフルエンザの症状の特徴は?】

①突然の発症 
②38度を超える発熱  
③鼻汁、咽頭痛、咳などの上気道炎症状  
④全身倦怠感、激しい頭痛などの全身症状


インフルエンザは突然の高熱にはじまり、頭痛・腰痛・筋肉痛などの全身症状を伴い、鼻水・咳・咽頭痛がやや遅れて出現するのが特徴です。まれに脳炎・脳症などの重い合併症に発展することがあり、アスピリンなどの解熱剤は脳症を起こしやすくする可能性があるため、解熱剤はアセトアミノフェン(アンヒバやカロナールなど)が安全です。


【インフルエンザを予防するには?】

予防には、ワクチンが最も重要です。
また、インフルエンザは罹患している人の咳・くしゃみ・つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染するため、外出時のマスクの利用や帰宅時のうがい、手洗いも重要です。空気が乾燥するとインフルエンザに罹患しやすくなるので、室内では加湿器などを使って、適度な湿度(50~60%)を保ちましょう。常日ごろからバランスよく栄養をとり、適度な休養と睡眠も大切です。(南里)


参考文献・HP:福岡県感染症情報・福岡県医師会HP